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「小さな火種が大きな情熱に変わるまで」

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2025年1月25日

僕がカポエイラに出会ったのは、異国の地、ドイツでした。大学2年の夏から3年の夏までの1年間、留学先で過ごす日々の中で、カポエイラにのめり込みました。ドイツ語と日本語の交換留学生として渡航したものの、僕が提出した留学レポートのテーマは「カポエイラの素晴らしさ」について。これにはゼミの教授も呆れ顔でした。ゼミの課題をろくに提出したこともない僕が、カポエイラについてなら永遠に書き続けられる気がしたのです。それだけ、僕にとって特別な存在になっていました。

大学3年の夏、友人たちの会話は次第に就職活動一色になっていきました。その空気に触れるうち、僕も「卒業後、自分はどう生きるのか」を考え始めました。将来の現実に直面する居心地の悪さと同時に、「就活なんてしたくない」という反骨心も生まれます。自分の道を歩みたいという想いが芽吹きつつも、焦りの気持ちは心の奥にくすぶり続けていました。

そんな中、僕がしていたのはカポエイラの練習とバイト探し。友人たちが内定の知らせを受けるたび、「果たしてこのままでいいのか」と自問自答する日々。それでも、もう後戻りするつもりはありませんでした。その頃、ふと湧き上がったのが「ブラジルへ行ってみたい」という想いでした。ただ、その想いはまだぼんやりとした小さな火種で、本当に行けるのか、本当に行きたいのかさえも定かではありません。それでも確かなことがひとつだけありました。それは、体力と資金が必要だということ。

そんな時、ネットで偶然見つけた「バイシクルメッセンジャー」のバイト募集。「これだ!」と思い、すぐに応募しました。こうして僕の進路は「カポエイラを練習するメッセンジャー」に決まったのです。

ロードバイクで1日100㎞近く走ることもありました。緊急書類を届けるという仕事の中で、社会的な責任感も学びました。そして、そこで働く仲間たちからは大きな刺激を受けました。多くの人がそれぞれの「夢」に向かって走っていて、その姿はまぶしいほどでした。その環境の中で、僕の「ブラジルに行く」という決意は少しずつ形を帯びていきました。

メッセンジャーの仕事を始めて1年半が経った頃のことです。ある日の仕事終わり、西麻布のオフィスで夕日を眺めていると、不思議なほど澄んだ気持ちでこう思いました。「よし、ブラジルへ行こう。」この瞬間、僕の心に宿っていた小さな火種は、確かな炎に変わったのです。

(次回へ続きます)

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