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「憧れと孤独が照らした、新たな自分」

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2025年1月8日

小学4年生のある夜、なんとなく眠れなくてテレビをつけた。深夜の画面に映っていたのは、偶然目にしたバスケットボール番組。そこでは「バスケの神様」と称されるマイケル・ジョーダンの特集が放送されていた。

ジョーダンのことも、バスケットボールというスポーツの存在すらも知らなかった。それなのに、彼のプレーに僕は一瞬で心を奪われた。光がスポットライトのように彼の動きを追い、彼の躍動感は幼い僕の目にはまるで魔法のように輝いて見えた。振り返れば、あれが僕にとって初めての「海外への憧れ」だった。

次の日、家にあったドッジボールをゴール代わりの壁に向けて投げ始めた。小学校の校庭で、暗くなるまで泥だらけになってひたすら練習した日々を、今でも鮮明に覚えている。

小学5年生の時、地元のミニバスケットボールクラブに入団した。ジョーダンのような華麗なシュートが僕の自慢だった。試合で結果を出すたびに、周りからの期待も少しずつ大きくなっていった。

中学を卒業するとき、僕は迷わずバスケットボールの強豪校への進学を選んだ。1年生ながら試合に出場し、将来を期待されるポジションに立っていた。でも、その頃には、あの幼い頃感じたワクワクする気持ちはどこかへ消えてしまっていた。

高校の部活の空気が嫌いだった。レギュラーは「神」、補欠は「奴隷」。そんな階級意識が部内に蔓延していた。「なにが神だ、クソくらえ」と心の中で吐き捨てながら、自分もその「神側」にいることが、苦痛で仕方がなかった。それを誰にも言えない孤独が、胸を締めつけていた。

高校1年の秋、僕はついに部活を辞めた。それは僕にとって初めての「挫折」だった。

バスケットボールという生き甲斐を失った僕は、その後、自分を持て余すようになった。レッド・ホット・チリ・ペッパーズに憧れてモヒカンにしたり、格闘技に手を出して街で喧嘩をしたり、ブルース・リーに影響されて手作りのヌンチャクを学校で振り回したり。ただただ、自分を探してもがいていた。でも、どれも心の隙間を埋めるには至らなかった。

大学に進学したものの、通う意味を見出せず、辞めるかどうかを考えていた大学1年の秋、ふと目に留まった「ドイツ交換留学生募集」というポスター。その瞬間、心の奥底に沈んでいた「海外への憧れ」が再び湧き上がった。僕はその挑戦を決意した。

留学の条件はドイツ語検定の合格。人生で初めて、自分の意思で机に向かい、なんとかギリギリ合格を勝ち取った。

ドイツに渡った僕は、孤独になることを決めた。同じ教室には日本人留学生もいたけれど、あえて距離を置いた。彼らとつるめば居心地は良かっただろう。でも、それでは自分がここに来た意味がないと思ったからだ。

そんな中で少しずつ海外の友達ができ始めた。その中にブラジル人留学生のグラウコがいた。彼はドイツ人にポルトガル語を教えていた。僕はドイツ語も満足に話せない状態で、彼からドイツ語を介してポルトガル語を習い始めた。

そんな無茶な挑戦が、思いもよらぬ形で実を結び、人とのつながりが広がっていった。そしてある日、ドイツ人の友人からこう誘われた。

「ダイスケ、カポエイラをやってみない?」

その一言が、僕の人生を大きく変えるきっかけになった・・・

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